まんがの。

少女漫画家になりたかった筆者による、お薦めできる漫画のレビューブログ

あるいとう(全11巻) ななじ眺先生

こんばんは、ayumpです。
大きな震災がまた発生してしまいました。
一刻も早く元の生活に戻れるよう、お祈り申し上げます。

さて、それでは今回も紹介いってみましょ!


神戸の街を『あるいとう』

あるいとう、これは神戸を舞台にしたお話です。
つまり、阪神淡路大震災の出来事を避けては通れないということ。
でも震災漫画ではありません。
あくまで過去にそういう経験があって、
けれども元気に生きているよって話です。

あるいとう、とは、
神戸弁になるそうです。
歩いていく、とか、歩いている、とか、
前に進んでいることを意味するようです。
主人公・玉田くこが、
色々壁にぶつかりながらも成長していくお話です。

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実体験に基づいたストーリー

ななじ先生は神戸ではないものの、
近くに住んでいて、紛れもない被災者でした。
そのときの感情や思いが、
くこの性格に色濃く出ています。
そのため、リアリティがあり、説得力のある言葉が盛り込まれています。

阪神淡路大震災を知らない世代が増えていく中、
ななじ先生の伝えたかった思いを
少しでも多くの人が汲み取ってもらえたらと思います。

そんなに人気は出なかった・・?

王道の少女漫画から外れた『あるいとう』は、
実はそこまで人気は出ていません。
けれどもメッセージはたくさん詰められており、
心に残る作品だと思います。

震災という重いテーマを避けて通れなかった、
というだけで、
きちんと少女漫画としてのキュンポイントはありますし、
イケメンもたくさん出ます!!
でも、読み進めるにはツライ、という人も多かったのではないかと推測します。

あるいとうの魅力&not魅力

○書き込みの多さによる臨場感
もう、これでもか!というリアリティ。
実際の場所、実際の時代を忠実に再現し、
細部にこだわる背景は拍手喝采ものです。
本当にすごいです。
このクオリティをよく続けられたと感動します(笑)
ふわっとした白い背景の少女漫画はどこへいった!?
というくらい、
まるで現実世界にくこが居るかのように錯覚さえします。
とても見応えのある作画です。素晴らしい。

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↑神戸に行きました(笑)

×とにかく暗い
もうみんな考えすぎ!というくらい、
とても暗い部分がたくさんあります。
思春期ってそうだったよねー、多感なお年頃だもんねー、
とは思うんですけど、
まぁもう少し明るくても良いんじゃないですかね?(笑)
でもそのぐちゃぐちゃ考えるのが人間らしくて可愛いんですよね。わかります。

伝えたかったこと。まとめ。

震災は忘れた頃にやってきます。
でも必ず復興できます。
忘れることはできないけれど、少しずつ癒えることはできます。
みんな色々悩みがあるんです。
でも、色んな人に支えて貰って生きてるということを、
あらためて教えてくれる作品でした。


ayumpでした!